1794、イットリウム~ガドリン(フィンランド):アルケーを知りたい(575)
今回は化学。
名前の由来は、発見されたスウェーデンのイッテルビー村に因む。現代はLEDほか電子部品に使われる。
▼経緯:
1787年、アレニウスがスウェーデンのイッテルビーで未知の鉱物を発見、町名にちなんで「イッテルバイト」と命名。
1794、ガドリンは、アレニウスが発見した鉱物「イッテルバイト」からイットリウム酸化物を抽出。
エーケベリがこれを「イットリア」と命名。
1828、ヴェーラーがイットリウムの単離に成功。
▼ヨハン・ガドリン Johan Gadolin 1760 - 1852
フィンランドの化学者・鉱物学者
【人物】父は物理学と神学の教授。ラヴォアジェの燃焼理論を支持。フィンランドの化学研究の創始者
【教育】ウプサラ大学で博士。指導教員はバーグマン。
【職業】トゥルク王立アカデミーで化学教授。
【業績】1786(26)ヨーロッパ各国の大学や鉱山を訪れるグランドツアーを実行。
1794(34)イットリウムを発見。
【同時代人】
マリー=アンヌ・ピエレット・ポールズ Marie-Anne Pierrette Paulze 1758 - 1836 ラヴォアジエの奥さん・助手。
【ネットワーク】
ラヴォアジエ Antoine-Laurent de Lavoisier 1743 - 1794 フランスの化学者。▼ガドリンはラヴォアジエの燃焼理論を支持、1798(38)燃焼における酸素の役割を論じた化学の教科書を執筆。これは北欧で初の化学の教科書。
アレニウス Carl Axel Arrhenius 1757 - 1824 スウェーデン 砲兵将校。研究所で火薬のテストを担当。ラヴォアジエに会ったことが刺激になり、燃焼研究に精を出す。スウェーデン軍の爆薬の品質を大幅に改善。1787イッテルバイト (後にガドリナイト)を発見。
バーグマン Torbern Bergman 1735 - 1784 スウェーデンの化学者、鉱物学者 ▼ガドリンの師匠。
シェーレ Karl Wilhelm Scheele 1742 - 1786 スウェーデンの化学者・薬学者。1772、酸素の発見(→559) ▼ガドリンとシェーレは、バーグマンの弟子仲間。
ガーン Johan Gottlieb Gahn 1745 - 1818 スウェーデンの 化学者・冶金学者。1774、マンガンを発見(→561) ▼ガドリンとガーンは、バーグマンの弟子仲間。
エーケベリ Anders Gustav Ekeberg 1767 - 1813 スウェーデンの化学者。▼アレニウスが見つけた鉱物「イッテルバイト」からガドリンがイットリウムの酸化物を抽出。これをエーケベリが「イットリア」と命名。
ヴェーラー Friedrich Wöhler 1800 - 1882日 ドイツの化学者。有機化学の父。▼イットリアから元素イットリウムを単離した。
【似顔絵サロン】
〔参考〕
『理科年表2022』
https://en.wikipedia.org/wiki/Johan_Gadolin
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