1827、ツァイゼ塩~ツァイゼ(デンマーク):アルケーを知りたい(622)

今回は化学。

ツァイゼ塩。白金を含む有機金属化合物。最も古くから報告された物質。

▼ツァイゼのここが面白い:10代で自分の方向を決める力を持っているところ。16才で弟子入りした環境が自分と合わないと判断すると我慢せずそこを辞す。自宅に戻りラヴォアジェやエルステッドの論文を読み、実験する。17才で化学の道に進むと決める。父親とエルステッドが友達同士という人の縁にも恵まれ、エルステッドの自宅に下宿して手伝いしながら勉強に励む。自分の適性を自分で発見して専門家になったセルフマジメント力がすごい。

ツァイゼ William Christopher Zeise 1789年10月15日 - 1847年11月12日 デンマークの有機化学者
【人物】父親はエルステッドの友達で薬剤師。
【教育】化学を中心に独学。
1806(17) エルステッドの家に下宿して助手。
1817(28) コペンハーゲン大学で博士。
【職業】1819(30) エルステッドが公的資金で設置した王立科学研究所の責任者。講義と実験を担当。
 1822(33) 化学の臨時教授、デンマーク工科大学で教授。
【業績】1830(41) 塩化白金とエタノールを反応させ白金ベースの有機金属化合物を生成。Zeise の塩と呼ばれる

【同じ年生まれの人】
オーム Georg Simon Ohm 1789年3月16日 - 1854年7月6日 ドイツの物理学者。1827(38) オームの法則

【ネットワーク】
シュトロマイヤー Friedrich Strohmeyer 1776年8月2日 - 1835年8月18日 カドミウムを発見したドイツの化学者。(→ 599) ▼留学してきたツァイゼを4カ月間にわたって分析化学の訓練を施す。

エルステッド Hans Christian Ørsted 1777年8月14日 - 1851年3月9日 電流の磁気作用を発見したデンマークの物理学者、化学者。(→ 605) ▼ツァイゼの父親と友達。ツァイゼの才能を認め、下宿させ成長を見守り、チャンスを提供した。

ベルセリウス Jöns Jacob Berzelius 1779年8月20日 - 1848年8月7日 スウェーデンの化学者。(→ 614) ▼パリで留学中のツァイゼと会い、博士論文を褒め、友人になる。

リーヴィヒ Carl Jacob Löwig 1803年3月17日 - 1890年3月27日 ドイツの化学者。▼ツァイゼの説を批判した(批判が間違っていたと後で判明)。

【似顔絵サロン】





















〔参考〕
『理科年表2022』
https://en.wikipedia.org/wiki/William_Christopher_Zeise

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