1840、オゾン~シェーンバイン(独):アルケーを知りたい(645)

今回は化学。

オゾン。ozone。O3。酸素同素体。腐食性が高く、生臭い刺激臭。紫外線の照射や無声放電で発生する。名前の由来は、ギリシア語で「臭いをかぐ」を意味する ozein に因む。 用途:水道水の殺菌、漂白、洗浄ほか。

▼経緯。
1785年、オランダのマルムがオゾンの存在を確認。
1840年、スイスのシェーンバインが、オゾンを発見、命名。

▼シェーンバインのここが面白い:燃料電池、オゾン、綿火薬と3つも仕事をした化学者。今回はオゾンなのに、つい綿火薬に目が行ってしまう。というのは、自宅のキッチンで実験するのは妻から禁止されていたのに、妻の外出中につい実験してしまい、偶然、綿火薬を発見する。実験の後、濡れたテーブルを妻のエプロンで拭き、エプロンが乾くと爆発的に発火した。あとで妻が怒ったのは間違いない。

シェーンバイン Christian Friedrich Schönbein 1799年10月18日 - 1868年8月29日
ドイツの化学者。
【人物】?
【教育】1814(13) 化学薬品会社で見習い。独学。1828(29) バーゼル大学で学ぶ。
【職業】1835-68(36-69) バーゼル大学で教授。
【業績】1838(39) 燃料電池を発明。
1839(40) 水の電気分解の実験中、オゾンが酸素から成り立つと発見
1840(41) フランス科学アカデミー誌にオゾンの論文を発表
1845(46) 自宅のキッチンで実験中に綿火薬を発見。黒色火薬に置き換わる発見。しかし、不安定で危険だった。後にフランスの化学者ヴィエイユが使いやすく強力な火薬に仕上げる。

【ネットワーク】
マルム Martin van Marum 1750年3月20日 - 1837年12月26日 オランダの化学者、博物館のキューレター。▼1785(35) オゾンの存在を確認。

グローブ William Robert Grove 1811年7月11日- 1896年8月1日 ウェールズの裁判官、物理学者。燃料電池技術のパイオニア。▼1842(31) グローブ-ボルタ電池を発明。

エイベル Frederick Augustus Abel 1827年7月17日 - 1902年9月6日 イギリスの化学者。▼1889(62) デュワーと共同で無煙火薬の一種「コルダイト」を発明。

ヴィエイユ Paul Marie Eugène Vieille 1854年9月2日 - 1934年1月14日 フランスの化学者。▼1884(30) シェーンバインの扱いにくい火薬を改良し、黒色火薬の3倍の威力の無煙火薬の開発に成功。

デュワー James Dewar 1842年9月20日 - 1923年3月27日 イギリスの化学者・物理学者。▼1889(47) コルダイト火薬を発明。1891(49) 液体オゾンの磁性を発見。

【似顔絵サロン】




















〔参考〕
『理科年表2022』
https://en.wikipedia.org/wiki/Christian_Friedrich_Sch%C3%B6nbein

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