1841、リービッヒの最小律(独):アルケーを知りたい(646)

今回は化学。

リービッヒの最小律。植物が必要な栄養素のうちいちばん少ないものが成長を左右する。

▼もともとはドイツの植物学者シュプレンゲルが最初に唱えた「最小値の定理」。リービッヒが植物の成長に窒素 N、リン P、カリウム K が不可欠であると主張したとき、シュプレンゲルの説を紹介した。その結果、名称が「シュプレンゲルの最小律」ではなく「リービッヒの最小律」になった。

▼シュプレンゲルのここが面白い:ゴリゴリの実践派の農業学者。華のあるリービッヒに比べて地味。相手が植物なので、成長に時間がかかる。気が長くないとやれない仕事。なにしろ20代の10年間をアジアやアメリカの畑で過ごすんだから。

シュプレンゲル Carl Sprengel 1787年3月29日 - 1859年4月19日
ドイツの植物学者 
【人物】?
【教育】科学を実践に応用した名声の高い農学者・テアの下で修行。
 1810-20(23-33) アジア、アメリカ大陸、メソポタミアを調査旅行。
 1821-28(34-41) ゲッティンゲン大学で自然科学を学ぶ。
【職業】1828(41) ゲッティンゲン大学で教授。
 1830-59(43-72) レスコ農業アカデミーを設立、指導にあたる。
【業績】1840(53) 農業化学分野で「最小理論」を提唱

【ネットワーク】
テア Albrecht Daniel Thaer 1752年5月14日 - 1828年10月26日 ドイツの農学者。科学を実践に応用したヨーロッパ中から名声を得た学者。▼シュプレンゲルの師匠。

リービッヒ Justus Freiherr von Liebig 1803年5月12日 - 1873年4月18日 ドイツの化学者。農芸化学の父(→628)▼シュプレンゲルの「最小値の定理」を普及させた結果、世間から「リービッヒの法則」と認知された。

シプニエフスキー Felicjan Sypniewski 1822年1月24日 - 1877年9月6日 ポーランドの植物学者。▼シュプレンゲルの弟子。

【似顔絵サロン】
















〔参考〕
『理科年表2022』
https://en.wikipedia.org/wiki/Carl_Sprengel

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