1847、エネルギー保存の法則~ヘルムホルツ(独):アルケーを知りたい(654)

今回は物理学。

エネルギー保存の法則:孤立系のエネルギーの総量は変化しない。
任意の異なる二つの状態について、それらのエネルギー総量の差がゼロである。
力学的・熱・化学・電気・光などのエネルギーは、それぞれの形態に移り変わる。しかしエネルギーの総和は変化しない。

▼ヘルムホルツのここが面白い:マックス・プランク(19才)は大学に入学してヘルムホルツ先生(54才)の授業を受けた。そのときのヘルムホルツ評が次。「ヘルムホルツは準備万端だったためしがなく、喋り方はゆっくりで、果てしなく計算を間違え、受講生は退屈した」。酷評だ。だけど、プランクはヘルムホルツと仲良くなる。ヘルムホルツはプランクの博士指導教員を担当し、就職の世話もする。写真で見るおっかない印象と面倒見の良さとのギャップが面白い。

ヘルムホルツ  Hermann Ludwig Ferdinand von Helmholtz 1821年8月31日 - 1894年9月8日 
ドイツの生理学者・物理学者。
【人物】父親は哲学教師。
【教育】1842(21) フリードリヒ・ヴィルヘルム医学学校で医学博士。
【職業】1842(21) 軍医。兵舎で実験を行い成果を発表する。
1849(28) ケーニヒスベルク大学生理学で教授。
1851(30) 検眼鏡を発明。
1855(34) ボン大学で生理学教授。
1858(37) ハイデルベルク大学で生理学教授。
1871(50) ベルリン大学で物理学教授。
1887(67) シャルロッテンブルク国立理工学研究所で理事。
【業績】
1847(26) 熱力学の第1法則を発表。マイヤー、ジュール、ケルビン卿と並んでエネルギー保存則を確立
1849(28) 静定検流計を発明(→606)。神経の伝送速度を測定し 24.6 ~ 38.4 m/sと報告。
1863(42) ヘルムホルツ共鳴器を発明。
1873(52) コプリ・メダル受賞。

【ネットワーク】
マイヤー Julius Robert von Mayer 1814年11月25日 - 1878年3月20日 ドイツの物理学者。▼熱力学のパイオニア(→649)。

トマス・ヤング Thomas Young 1773年6月13日 - 1829年5月10日 イギリスの物理学者。▼ヤング=ヘルムホルツの三色説(→582)。

ハインリヒ・ヘルツ Heinrich Rudolf Hertz 1857年2月22日 - 1894年1月1日 ドイツの物理学者。▼ヘルムホルツの弟子。電磁波のパイオニア。

田中 正平 1862年6月12日 - 1945年10月16日 音響学・物理学者、鉄道技師。1889(27) 純正調オルガンを発明。▼ベルリン大学でヘルムホルツの弟子。

マックス・プランク Max Karl Ernst Ludwig Planck 1858年4月23日 - 1947年10月4日 ドイツの物理学者。▼ベルリン大学でヘルムホルツより37歳年下の同僚。

【似顔絵サロン】



















〔参考〕
『理科年表2022』
https://en.wikipedia.org/wiki/Hermann_von_Helmholtz

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