1850、光速度測定による波動説の証明~フーコー(仏):アルケーを知りたい(657)

今回は物理学。

光速度測定による波動説の証明:光の波動説と粒子説が対立した時代。フランスの物理学者アラゴは、空気中の光速と水中の光速を比較し、空気中の光速が大きければ波動説が正しく、水中の光速が大きければ粒子説が正しいと主張。
それでフィゾーとフーコ―は光速の測定実験に挑戦。しかし途中で仲違い。フィゾーは回転歯車、フーコーはアラゴが提案した回転鏡とそれぞれの実験方法で測定した。フーコーは、光が空気中よりも水中が遅くなる現象を確認し、光の波動説の優位を示した。

▼フーコーのここが面白い:フーコーとフィゾーは同じ年の同じ月生まれ。同じテーマに取り組みながら、フーコーは回転鏡で光の波動性を証明し、フィゾーは回転歯車で光速を測定した。共に今でも高校物理で二人の実験装置が並んで紹介されている。二人が今の高校物理を見たら何と言うだろう。仲直りするかな?

フーコー Léon Foucault 1819年9月18日 - 1868年2月11日
フランスの物理学者
【人物】父親はパリの出版業者。
【教育】健康問題のため家庭教師。パリ大学でドネの実験助手。
【職業】執筆業。
【業績】1843-45(24-26)  フーコーと共同してダゲレオタイプによる太陽の写真撮影に成功。
1850(31) 「フーコー・フィゾーの実験」で空中と水中の光速度を比較。空気中より水中が遅くなる現象を発見。光の波動説の優位を示す。
1851(32) 「フーコーの振り子」実験で地球の自転を証明。
1855(36) 渦電流を発見。コプリ・メダル受賞。
1862(43) ホイートストーンが回転鏡を使った実験装置で光の速度を 298,000 km/sと計算。

【ネットワーク】
ドネ Alfred François Donné 1801年9月13日 - 1878年3月7日 フランスの細菌学者・医師。顕微鏡写真の発明者。▼フーコーはドネの弟子・実験助手・友人。

ホイートストーン Charles Wheatstone 1802年2月6日 - 1875年10月19日 イギリスの物理学者。▼1834(32) 電線を伝わる電流の速度の測定を回転鏡を使って挑戦。288,000 km/s と計算。

フィゾー Armand Fizeau 1819年9月23日 - 1896年9月18日 フランスの物理学者。▼1830-47(11-28) の間、フーコーと友達で共同で研究した。

【似顔絵サロン】



















〔参考〕
『理科年表2022』
https://en.wikipedia.org/wiki/L%C3%A9on_Foucault

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