1868、ヘリウム#1~ロッキヤー(英):アルケーを知りたい(673)

今回は化学。

ヘリウム:helium。原子番号 2。元素記号 He。ギリシャ語heliosで太陽の意味。用途は気球や飛行船が浮かぶ用のガス、深海に潜水するときの呼吸用のガスとか。

▼ロッキャーのここが面白い:太陽光のスペクトルにヘリウムを見た男。スペクトルに出てきた今までにない新色から、新元素の存在を推察した。現物ではなく、現象から推理する方法。ヘリウムの現物が地上で確認されたのは27年後の話。

ロッキヤー Joseph Norman Lockyer 1836年5月17日 - 1920年8月16日 
イギリスの天文学者
【人物】父親は電信のパイオニア。
【教育】父親から科学を学ぶ。スイス、フランスに遊学。
【職業】英国陸軍省で公務員。アマチュア天文学者。

【業績】1860-(24-) 天体の組成を決める分光法を知り研究開始。
1868(32) 化学者のフランクランドと共に太陽のスペクトルから新元素を発見。ギリシャ語の太陽 Helios からヘリウムと命名。同じ時期にフランスの化学者ヤンセンがヘリウムを発見、両者の論文が同じ日にフランスのアカデミーに到着。
1869(33) 新しい科学的知見の伝達を促進するため総合学術雑誌「ネイチャー Nature」を創刊
1885-1913(49-77) インペリアル・カレッジ・ロンドンで世界初の天文学教授。太陽物理天文台を建設。
1890(66) ギリシャの寺院が東西方向に、エジプトの寺院が真夏の日の出とシリウスに向かう方向に建設されていると発見。考古天文学のパイオニアとなる。
1913-(77-) 引退後、自宅の近くに天文台を設立。ノーマン・ロッキヤー天文台として有名になる。

【ネットワーク】
ダニエル・マクミラン Daniel MacMillan 1813年9月13日 - 1857年6月27日 スコットランドの出版人。1843(30) 弟のアレクサンダーと共にロンドンでNatureの出版元になるマクミラン出版社を共同設立。Natureの創刊はダニエルが死去して12年後。

アレクサンダー・マクミラン Alexander MacMillan 1818年10月3日 - 1896年1月25日 スコットランドの出版人。1843(25) 兄のダニエルとロンドンで出版社Macmillan & Co. を共同設立。1869(51) Natureの版元になる。

ヤンセン Pierre Jules César Janssen 1824年2月22日 - 1907年12月23日 フランスの天文学者。▼1868(44) 太陽のプロミネンスの観察から新元素=ヘリウム=を発見、アカデミーに報告。

フランクランド Edward Frankland 1825年1月18日 - 1899年8月9日 イギリスの化学者。▼ヘリウムの共同発見者。

ラムゼー William Ramsay 1852年10月2日 - 1916年7月23日 スコットランドの化学者。1904(52) ノーベル化学賞受賞(空気中の貴ガス元素の発見と周期律におけるその位置の決定)、▼1895(43) ヘリウムを単離。

【似顔絵サロン】







〔参考〕
『理科年表2022』
https://en.wikipedia.org/wiki/Norman_Lockyer

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