1885、ネオジム~ヴェルスバッハ(墺):アルケーを知りたい(689)
今回は化学。
▼ネオジム:neodymium。原子番号60。金属元素。元素記号 Nd。希土類元素。比重 7.0、融点 1,024 ℃、沸点 3,027 ℃。名前は「新しいジジミウム」の意味。ギリシャ語で「新しい」の意味の neos と先に発見されていたネオジムを含む混合物「ジジミウム didymium」の名称を合成した。用途はネオジム磁石の原料。
▼ヴェルスバッハのここが面白い:オリジナルの手法や装置で研究した成果を元に会社を起こして社会に普及させるまでの総合力を持つ人物。「もっと光を plus lucis」というモットーを掲げていたのが面白い。アメリカでコールマンがガスマントルをキャンプ用ランプに採用した。ネオジムを磁石にしたのは日本の佐川眞人。
▼ヴェルスバッハ Carl Auer von Welsbach 1858年9月1日 - 1929年8月4日
オーストリアの化学者
【人物】父親は貴族で帝国印刷局長。
【教育】1878(20) ウィーン大学で数学、化学、物理学、熱力学を学ぶ。
1880(22) ハイデルベルク大学のブンゼンのもとで分光法を学ぶ。
1882(24) ハイデルベルク大学で博士。師匠はブンゼン。
【職業】ウィーン大学で無給の助手。
【業績】
1885(27) 自分で開発した分別結晶法と装置でネオジムを発見。
1886(28) ガスマントルを発明し特許取得。販売会社を設立するもマントルの光が緑色がかっていたため人気が出ず1889(31)に会社を閉じる。
1890(32) 白色の明るい光が得られるガスマントルの開発に成功。
1891(33) 新会社を設立、ガスマントルがヨーロッパ中に普及。米コールマン社がガスマントルを採用。
1903(45) 発火石の特許を取得。
1907(49) 発火石の製造販売会社 Treibacher Chemische Werke GesmbH を設立。
【ネットワーク】
ブンゼン Robert Bunsen 1811年3月30日 - 1899年8月16日 ドイツの化学者。▼ヴェルスバッハの師匠。
コールマン William Coffin Coleman 1870年5月21日 - 1957年11月2日 米コールマン社の創設者。▼コールマンがランプに採用したガスマントルはヴェルスバッハ製だった。
佐川 眞人 さがわ まさと 1943年8月3日 - 日本の研究者・実業家。▼1982(39) ネオジム磁石を発明。
【似顔絵サロン】
〔参考〕
『理科年表2022』
https://en.wikipedia.org/wiki/Carl_Auer_von_Welsbach
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