1901、熱電子~リチャードソン(英):アルケーを知りたい(711)

今回は物理学。

熱電子:Thermo electron。1883年、エジソンが白熱電球の長寿命化を研究していたとき、フィラメントを陰極にしてちょっと離れたところに陽極板を置いてみた。そしたらフィラメントと陽極板は接触してないのに電流が流れた。これは何だ? エジソンが解き明かせなかった謎は、18年後にリチャードソンが熱せられたフィラメントから出てくる熱電子の働きであると解明した。

▼リチャードソンのここが面白い:自分も師匠もノーベル物理学賞の受賞者である。加えて師匠の息子と自分の弟子がノーベル物理学賞の共同受賞者である。ゴージャス。

リチャードソン Owen Willans Richardson 1879年4月26日 - 1959年2月15日
 イギリスの物理学者 
【人物】?
【教育】1900(21) ケンブリッジ大学を卒業。
1900-06(21-27) キャベンディッシュ研究所で高温物体からの熱電子放出を研究。
1904(25) ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジで博士。博士指導教員はJ・J・トムソン先生。
【活動/業績】1901(22) エジソン効果をリチャードソン効果で説明
1906-13(27-34) プリンストン大学で教授。 
1914-44(35-65) ロンドン大学キングス・カレッジでホイートストン物理学教授。
1927(48) 当代一流の物理・化学者が集う第5回ソルベイ会議に参加。テーマは「電子と光子」。
1928(49) ノーベル物理学賞受賞(熱電子の研究およびリチャードソン効果の発見)

【ネットワーク】
ホイートストーン Charles Wheatstone 1802年2月6日 - 1875年10月19日 イギリスの物理学者。ロンドン大学キングス・カレッジ教授。1833(31) 電気抵抗の測定法ホイートストン・ブリッジを編み出す。▼リチャードソンはホイートストンの名を冠した教授職に就いた。

ソルベイ Ernest Solvay 1838年4月16日 - 1922年5月26日 ベルギーの化学者、実業家。ソルベイ法の発明者、ソルベイ社の創業者。▼1911(73) ドイツの化学者ネルンストの提案で「放射理論と量子」をテーマにして第1回ソルベイ会議を開催。

エジソン Thomas Alva Edison 1847年2月11日 - 1931年10月18日 アメリカの発明家。▼1883(36) 白熱電球の研究中にエジソン効果を発見。

J・J・トムソン Joseph John Thomson 1856年12月18日-1940年8月30日 イギリスの物理学者。1897(41) 電子の発見。原子モデルに「ブドウパンモデル」を提唱。電子の粒子の性質を示した。1906(52) ノーベル物理学賞(気体の電気伝導に関する理論および実験的研究)。▼リチャードソンの師匠。

デイヴィソン Clinton Joseph Davisson 1881年10月22日 - 1958年2月1日 アメリカの物理学者。1937(56) ノーベル物理学賞受賞(結晶による電子線回折現象の発見) ▼リチャードソンの弟子。

ジョージ・パジェット・トムソン George Paget Thomson 1892年5月3日 - 1975年9月10日 イギリスの物理学者。1937(45) ノーベル物理学賞受賞(結晶による電子線回折現象の発見)。 電子の波の性質を示した。▼リチャードソンの師匠J・J・トムソンの息子。リチャードソンの弟子デイヴィソンと1937年のノーベル物理学賞の共同受賞者。

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〔参考〕
『理科年表2022』
https://en.wikipedia.org/wiki/Owen_Willans_Richardson

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