1927、ハッブル-ルメートルの法則~ハッブル(米)編:アルケーを知りたい(748)

今回は物理学。

ハッブルの法則:銀河の後退速度が地球からの距離とともに増加するという法則。銀河の赤方偏移と距離の間の経験則を定式化したもの。地球と観測している天体が離れる速さをハッブル定数と地球と天体の距離の掛け算で計算。ハッブルの法則は宇宙の膨張を意味しており後のビッグバン理論につながる。

▼ハッブルのここが面白い:記録持ちのスポーツマン、ヘビー級のボクサー、父親の希望で留学先では法律を専攻、戦争時には軍に志願、専門の天文学では宇宙の膨張を示すデータを提出。「静と動」の両方で抜きん出た人だったのが面白すごい。

ハッブル Edwin Powell Hubble 1889年11月20日 - 1953年9月28日 
アメリカの天文学者
【人物】父親は保険会社の役員。
【教育】青年時代は記録を持つスポーツマン、ボクサー。1910(21) シカゴ大学卒業。
1913(24) 英のオックスフォード大学で修士。父親の要求に応え法学を学んだ。
1917(28) シカゴ大学ヤーキス天文台で天文学を研究。博士。
【活動/業績】
1914-18(25-29) WWI。米陸軍に志願、少佐。
1919-53(30-64) ウィルソン山天文台の創設者で所長のヘールの招きで研究員。100インチ (2.5m) 望遠鏡が完成。
1923-24(34-35) 100インチ望遠鏡で銀河系内の天体と考えられていた星雲 nebula の中に、銀河系外の銀河の存在を発見。
1926(37) ハッブル分類を提唱:楕円銀河、レンズ状銀河、渦巻銀河、棒渦巻銀河、不規則銀河。
1928(39) ヒューメイソンと共に系外銀河のスペクトルの赤方偏移を測定。宇宙膨張の証拠。
1929(40) ハッブルの法則を発表
1935(46) 小惑星 シンシナティを発見。
1939-45(50-56) WWII。米陸軍弾道研究所(BRL: Ballistic Research Laboratory)で外部弾道部門の責任者。
1946(57) メリット勲章受賞(弾道学の研究での優れた貢献)。
2018年、ハッブルの法則  ハッブル=ルメートルの法則

【ネットワーク】
ヘール George Ellery Hale 1868年6月29日 - 1938年2月21日 アメリカの天文学者。1904(36) ロサンゼルスのウィルソン山で天文台の建設を主導。▼ハッブルをウィルソン山天文台に招いた天文学者。

フリードマン Alexander Alexandrovich Friedmann 1888年6月16日 - 1925年9月16日 ロシアの宇宙物理学者。▼1922(34) 膨張宇宙のモデルをフリードマン方程式として定式化。1929年、ハッブルが宇宙膨張を観測で確認。フリードマンのモデルが高く評価された。

ヒューメイソン Milton La Salle Humason 1891年8月19日 - 1972年6月18日 アメリカの天文学者。標高1,742mのウィルソン山天文台へラバで荷揚げしていた。その後、守衛。緻密な仕事ぶりが評価され、1919(28) ウィルソン山天文台長のヘールにスタッフとして採用される。▼1928(37) ハッブルの助手として共に系外銀河のスペクトルの赤方偏移を測定。翌年ハッブルがハッブルの法則を発表。

【似顔絵サロン】






























〔参考〕
『理科年表2022』
https://en.wikipedia.org/wiki/Edwin_Hubble

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