1977、タウ粒子の発見~パール:アルケーを知りたい(806)

今回は物理学。

タウ粒子:tauon。
tauon。素粒子標準模型の第三世代の荷電レプトン。名前の由来は、ギリシア語で「三番目」の triton。これはタウ粒子が電子・ミュー粒子に続く三番目に発見された荷電レプトンだから。レプトンはクォークと同様、素粒子。名前の由来は、古代ギリシア語「軽い」の leptos。レプトンの種類は、電荷を持つ荷電レプトンと中性のニュートリノの二つがある。

▼パールのここが面白い:タウ粒子の探索にはハイパワーな装置が必要。イタリアの物理学者ジチチが開始したもののマシンパワー不足のため発見に至らず。一方、パールはスタンフォード大学の装置で発見。アメリカかつスタンフォードという適切な場所で素晴らしい結果を得たパールの選択力が面白い。

マーチン・パール Martin Lewis Perl 1927年6月24日 - 2014年9月30日
 アメリカの物理学者。
【人物】父親はポーランドから渡米したユダヤ人で印刷・広告会社の経営者。
【教育/活動】
1948(21) ニューヨーク大学タンドンで化学工学を学び卒業。GE社で真空管製造工場のエンジニア。
1950(23) ユニオン大学で真空管の機能を学ぶ。
1955(28) コロンビア大学で博士。指導教員はI.I.ラビ
1955-63(28-36) ミシガン大学でバブルチャンバーとスパークチャンバーを使用し、中性子の散乱を研究。
1963-(36-) スタンフォード線形加速器センター SLAC で電子とミューオンの相互作用を研究。
1974-77(47-50) SLAC でタウ粒子を発見
1995(68) ノーベル物理学賞受賞(レプトン物理学の先駆的実験、タウ粒子の発見)フレデリック・ライネスと共同受賞。

【ネットワーク】
I・I・ラービ Isidor Isaac Rabi 1898年7月29日 - 1988年1月11日 アメリカの物理学者。1944(46) ノーベル物理学賞受賞(共鳴法による原子核の磁気モーメントの測定法の発見)。▼パールの指導教員。

フレデリック・ライネス Frederick Reines 1918年3月16日 - 1998年8月26日 アメリカの物理学者。▼1995(77) ノーベル物理学賞受賞(レプトン物理学の先駆的実験(ニュートリノの検出))。

アントニーノ・ジチチ Antonino Zichichi 1929年10月15日 -  イタリアの物理学者。▼1960(31) タウ粒子の探索を開始。機械のパワー不足で確認できず。確認したのは10年後にパール。

【似顔絵サロン】








































〔参考〕
『理科年表2022』
https://en.wikipedia.org/wiki/Martin_Lewis_Perl

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