源 実朝~百人一首でアルケーを知りたい(958)

世の中は 常にもがもな 渚こぐ あまの小舟の 綱手かなしも 93
感想 「常にもがもな」は「常に+もがも+な」と分解でき、それぞれ、常に=変わらないもの、もがも=だったら、な=なあ、という意味。だから、世の中は変わらないものであったら良いのに、と歌っているようだ。作者は源頼朝の三男、実朝。作者の運命を知るとこの歌の「かなしも」がいっそう心に響く。

源 実朝 / 鎌倉右大臣 みなもと の さねとも 
1192建久3年9月17日 - 1219建保7年2月13日 27歳。
 鎌倉幕府第3代征夷大将軍(鎌倉殿)。
 源頼朝の次男。

1199(7) 父の頼朝が死去。
1204(12) 元服。後鳥羽院の命名で実朝を名乗る。
1208(16) 疱瘡を患う。
1209(17) 右近衛中将。
1211(19) 鎌倉にやってきた飛鳥井雅経(41)と知り合う。
1216(24) 権中納言。大江廣元が急な昇進を諌める:今は先君の遺跡を継ぐばかりで、当代にさせる勲功は無く、諸国を管領し中納言中将に昇られる
1218(26) 権大納言。
1219(27) 鶴岡八幡宮で襲われ落命。

秋の月を詠んだ歌。
天の原 ふりさけみれば 月きよみ 秋の夜いたく 更けにけるかな 

【キーワードと感想】
鎌倉殿 かまくらどの。鎌倉幕府の棟梁、また鎌倉幕府そのもの。平家物語では頼朝を指す。

疱瘡 ほうそう。天然痘。非常に強い感染力を持ち、全身に膿疱を生ずる。致死率が20~50%。治癒後も瘢痕(あばた)が残る。1980年、根絶。

鶴岡八幡宮 つるがおかはちまんぐう。神奈川県鎌倉市にある神社。11世紀後半、源氏の守り神として創建。源頼朝ゆかりの神社。鎌倉武士の守護神。

【ネットワーク】
源 頼朝 みなもと の よりとも 1147(久安3)年5月16日 - 1199(建久10)年2月16日 武将、政治家。鎌倉幕府初代征夷大将軍(鎌倉殿)。

大江 廣元 おおえ の ひろもと 1148久安4年 - 1225嘉禄元年7月16日 平安時代末期~鎌倉時代初期の貴族。源頼朝の側近。鎌倉幕府の初代別当。

飛鳥井 雅経 あすかい まさつね 1170嘉応2年 - 1221承久3年年4月5日 平安時代末期~鎌倉時代前期の公卿・歌人。難波頼経の次男。参議雅経。百人一首94:み吉野の 山の秋風 小夜ふけて ふるさとさむく 衣うつなり

後鳥羽天皇 ごとばてんのう 1180治承4年8月6日 - 1239延応元年3月28日 第82代天皇。在位:1183寿永2年9月8日 - 1198建久9年2月18日。後鳥羽院。百人一首99:人も惜し 人もうらめし あぢきなく 世を思ふゆゑに もの思ふ身は

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〔参考〕
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%BA%90%E5%AE%9F%E6%9C%9D
https://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/sanetomo.html

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