藤原道信の歌~アルケーを知りたい(1010)

藤原道信は百人一首52番歌「明けぬれば暮るるものとは知りながら なほうらめしき朝ぼらけかな」の作者。この歌も良いけど「
さ夜ふけて風や吹くらむ花の香の にほふここちのそらにするかな」もなかなかじゃないかい、と思う。
▼二十二歳で死去したのが残念。いい歌をたくさん詠んだはずなのに。

藤原道信 ふじわら の みちのぶ 
972天禄3年 - 994正暦5年8月20日 22歳。
 平安時代中期の貴族・歌人。中古三十六歌仙の一人。
 和歌に秀で、奥ゆかしい性格。藤原公任藤原実方と親交。

986(14) 元服、侍従。
990(18) 養父が死去。
992(20) 実父が死去。
994(22) 従四位上。死去。

▼藤原道信の和歌と*勝手に解釈
さ夜ふけて風や吹くらむ花の香の にほふここちのそらにするかな
*夜が更けて風が出たようだ。花の香りがここまで運ばれてくるような気がする。

秋はつる小夜更けがたの月見れば 袖ものこらず露ぞおきける
*秋が終わる頃の夜更けの月を見ていると、袖まで露が下りてくるようだ。

つれづれと思へばながき春の日に たのむこととはながめをぞする
*長い春の日にぼんやりしていると分かったことがあります。それは、いま自分は風景を眺めているんだってことですね。

朝顔を何はかなしと思ひけむ 人をも花はさこそ見るらめ
*人はなぜ朝顔を見てはかないと思うのだろう。花のほうも人をそう思っているかも知れない。

明けぬれば暮るるものとは知りながら なほ恨めしき朝ぼらけかな
*夜が明ければまた暮れるのは分かっちゃいる。それでも夜明けは恨めしい。

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〔参考〕
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%97%A4%E5%8E%9F%E9%81%93%E4%BF%A1
https://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/mitinobu.html

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