藤原実方の歌~アルケーを知りたい(1012)
▼さしも草は灸のもぐさのこと。小生、体が弱かったので子供時代にたくさん灸をした。もぐさ入れを皮で手作りしたこともある。▼灸をすえたことのない人は「さしも知らじなもゆる思ひを」で「さしもしらじなもゆる匂ひを」だろうけど。なかなかに痛みに味があるものよ(笑)。
▼藤原実方 ふじわら の さねかた
959(?) - 999長徳4年1月3日 40歳。
平安時代中期の貴族・歌人。中古三十六歌仙の一人。
藤原公任・源重之・藤原道信らと交流。
975(16) 侍従。
986(27) 内裏歌合に出詠。
995(36) 陸奥守。
999(40) 陸奥国で巡視中、落馬事故で死去。
▼藤原実方の和歌と*勝手に解釈
かくとだにえやは伊吹のさしも草 さしも知らじなもゆる思ひを
*お灸のもぐさよろしく、あなたはご存じないでしょうね、私の燃える思いを。
宇佐のつかひの餞(はなむけ)しける所にて、よみ侍りける
昔見し心ばかりをしるべにて 思ひぞおくる生の松原
*(宇佐神宮までお出かけになると聞いて、餞別として)昔と同じく縁起の良い生の松原の祈りの心をお贈りします。
実方朝臣、陸奥国みちのくにに下り侍りけるに(中納言隆家が)餞はなむけすとてよみ侍りける
別れ路はいつもなげきのたえせぬに いとどかなしき秋の夕暮
*別れは嘆きが絶えないもの。それにしてもなんと悲しい秋の夕暮れでしょうか。
↓
返し
とどまらむことは心にかなへども いかにかせまし秋の誘ふを
*私もこのままこちらに留まりたいのですが、秋がさあ行きましょうと誘うのです、これはどうしましょう。
陸奥に侍りけるに、中将宣方朝臣のもとにつかはしける
やすらはで思ひたちにし東路に ありけるものをはばかりの関
*思い立ってすぐ東路に向かいました。ところが、はばかりの関まで来たところ、先に行くのが憚られる気分です。
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〔参考〕
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%97%A4%E5%8E%9F%E5%AE%9F%E6%96%B9
https://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/sanekata.html
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