藤原 朝忠の歌~アルケーを知りたい(1018)

藤原朝忠は百人一首44番歌「逢ふことの絶えてしなくはなかなかに 人をも身をもうらみざらまし」の作者。確かに、最初から出会っていなければ、あれやこれやと考えることもない。筋が通っている。
▼朝忠の「世の中はただ今日のごと思ほえて あはれ昔になりもゆくかな」。これにも、そうそう、その通りと思う。

▼藤原 朝忠 / 中納言朝忠 ふじわら の あさただ 
910(延喜10)年 - 967(康保3)年1月15日 57歳。
 平安時代中期の公家・歌人。藤原定方(三条右大臣の五男。三十六歌仙の一人。

927(17) 侍従。930(20) 五位蔵人。943(33) 内蔵頭。
946(36) 近江守。951(41) 左近衛中将。952(42) 参議。
956(46) 正四位下。962(52) 従三位。963(53) 中納言。

藤原朝忠の和歌と*勝手に解釈
逢ふことのたえてしなくは中々に 人をも身をも恨みざらまし
*出会ってしまわなければ、相手や自分を恨んだりしないのだが(出会ってしまったのでそうもいかない)。

世の中はただ今日のごと思ほえて あはれ昔になりもゆくかな
*世の中の出来事とは、今日起きたことの印象が強いのだけど、あはれにもすぐ過去のことになってゆくものだ。

万代のはじめと今日を祈りおきて 今行末は神ぞ知るらむ
*万代の初めとして今日のことをお祈りをする。これから先のことは神のみぞ知る。

くらはしの山のかひより春がすみ 年をつみてやたちわたるらむ
*倉橋山の山間から出てくる春霞が年を重ねるほど立ち渡るのだろう。

わが宿の梅が枝に鳴く鶯は 風のたよりに香をや尋めこし
*わが家の梅の枝にとまって鳴く鶯は、風に乗った香りでここまでやって来たのか。

【似顔絵サロン】















〔参考〕
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%97%A4%E5%8E%9F%E6%9C%9D%E5%BF%A0
https://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/asatada.html

コメント

このブログの人気の投稿

大伴旅人の万葉集459番歌~アルケーを知りたい(1092)

大伴旅人の万葉集876-879番歌~アルケーを知りたい(1117)

大伴旅人の万葉集577番歌~アルケーを知りたい(1097)