文屋朝康の歌~アルケーを知りたい(1024)

文屋朝康は百人一首37番歌「しらつゆに風の吹きしく秋の野は つらぬきとめぬ玉ぞ散りける」の作者。
この歌は、朝康が絵になる風景を和歌で描写した、という印象。
朝康が作った別の歌「浪わけて見るよしもがなわたつみの 底のみるめも紅葉ちるやと」は、披露したとき仲間が面白がって盛り上がったのではないか、と思えて楽しい。

▼文屋 朝康 ふんや の あさやす ? - ?
 平安時代前期の官人・歌人。文屋康秀(百人一首22番歌の作者)の息子。

887(?) 宇多天皇が即位。
889(?) 「寛平御時后宮歌合」に参加。
892(?) 駿河掾。「是貞のみこの家の歌合」に参加。
902(?) 大舎人大允。(?) 大膳少進。
897(?) 醍醐天皇が即位。

▼文屋朝康の和歌と*勝手に解釈
「寛平御時后宮歌合」で詠んだ歌。
白露に風の吹きしく秋の野は つらぬきとめぬ玉ぞ散りける
*秋の野原に風が吹きめぐると、蜘蛛の糸に通してあった白露が弾けて飛ばされている。

「是貞のみこの家の歌合」で詠んだ歌。
秋の野におく白露は玉なれや つらぬきかくる蜘蛛の糸すぢ
*秋の野原の露は蜘蛛の糸に通した玉のようだ。

題しらず
浪わけて見るよしもがなわたつみの 底のみるめも紅葉ちるやと
*できることなら波をかきわけて見たいものだ。海の底の海松布も紅葉して散っているのかを。

【似顔絵サロン】










































〔参考〕
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%87%E5%B1%8B%E6%9C%9D%E5%BA%B7
https://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/asayasu.html

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