蝉丸の歌~アルケーを知りたい(1051)
▼蝉丸は琵琶の演奏家。10番歌の、これやこの・行くも帰るも・知るも知らぬも、からも蝉丸のリズム感が伝わる。
▼今昔物語の蝉丸伝説では源博雅が蝉丸から琵琶の奏法を伝授される場面があり「諸々の道はこのようにひたすら好むべきものである」と結ばれる。この話にも同感。(巻二十四第二十三話)
▼「これやこの昨日今日と過ごしつつ 明日は知らぬ逢坂の関」。心の逢坂の関、と言いたいところだけど字余り過ぎるので略しました。
▼蝉丸 せみまる
? - ? ?歳。
平安時代前期の歌人。隠者。盲、琵琶の名手。出家前の遍昭(12番歌)の和琴の師。音曲・芸能の神。
▼蝉丸の和歌と*勝手に解釈
題しらず (二首)
秋風になびく浅茅の末ごとに おく白露のあはれ世の中
*秋風になびく浅茅の葉の白露のような世の中のはかなさよ。
世の中はとてもかくても同じこと 宮もわら屋もはてしなければ
*世の中は宮殿であろうと藁屋であろうと同じことだ。最後はなくなってしまうのだから。
題しらず
逢坂の関の嵐のはげしきに しひてぞゐたるよを過ぎむとて
*逢坂の関の嵐が激しいので、無理して外に出ず一晩じっとして過ごした。
相坂の関に庵室をつくりて住み侍りけるに、ゆきかふ人を見て
これやこの行くも帰るも別れつつ 知るも知らぬもあふさかの関
*これがあの旅立つ人・帰る人・知っている人・知らない人たちが行き交う逢坂の関なのだ。
【似顔絵サロン】
〔参考〕
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%9D%89%E4%B8%B8
https://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/semimaro.html
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