大伴旅人の酒を讃むる歌13首(4の1)~アルケーを知りたい(1080)
▼酒を讃めるスタイルを取りつつ、悩む人に向けてもっと力を抜いて、楽しく生きる考え方を教えてくれる箴言集だ。
▼これらの歌から感じる心情がアルケーではないか、と思うほど。
▼大宰帥大伴卿、酒を讃むる歌十三首 万葉集の338~341まで。
験なきものを思はずは 一坏の濁れる酒を飲むべくあるらし 万338
*どうにもならないことを考えるよりも、一杯の濁り酒を楽しむほうがヨシ。(どうにもならないことに頭を持っていかれるな、何を考えるかを決めるのは自分なのだから)
酒の名を聖と負せしいにしへの 大き聖の言の宜しき 万339
*酒と言わずに聖(ひじり)と呼んだ中国の偉大なる聖人の言やヨシ。
いにしへの七の賢しき人たちも 欲りせしものは酒にしあるらし 万340
*昔の七賢人たちも、欲しがったものは酒だったそうだよ。
賢しみと物言ふよりは酒飲みて 酔ひ泣きするしまさりたるらし 万341
*賢そうにものを言うより、酒を飲んで酔い泣きするほうが勝っているらしいぞ。(賢いのは貴い、賢げにものを言うのがダサい。どうしたら良いか分からん・・・とうろたえるほうがマシだ)
▼大伴 旅人 おおともの たびと
665天智天皇4年 - 731天平3年8月31日 66歳。
飛鳥時代~奈良時代初期の公卿・歌人。
息子は、百人一首6番歌の歌人・大伴家持。
主君は、文武天皇→元明天皇→元正天皇→聖武天皇。
728(63) 大宰府に赴任、山上憶良・満誓らと筑紫歌壇を形成。
【似顔絵サロン】
〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集一』角川ソフィア文庫。
https://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/tabito2.html
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E4%BC%B4%E6%97%85%E4%BA%BA
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