大伴旅人の酒を讃むる歌13首(4の2)~アルケーを知りたい(1081)

▼大宰帥大伴卿、酒を讃むる歌十三首の二回目。万葉集の342~344。旅人さんが「賢しらをすとあな醜(賢げな態度はみっともないぞ)」と仰る歌があります。なんだか無駄に入っていた肩の力が抜ける気がします。

言はむすべ為(せ)むすべ知らず極まりて 貴きものは酒にしあるらし 万342
*言いようも為しようもないほど究極に貴いのは酒らしい。

なかなかに人とあらずは酒壺に なりにてしかも酒に染みなむ 万343
*なまじっか賢い人物になるよりいっそ酒壺になれば酒が染みてヨシ。(昔の中国の賢人が自分が死んで300年経ったら土になっているので、その土で酒壺を作るようにと遺言したエピソードを踏まえた歌という話)

あな醜賢しらをすと酒飲まぬ 人をよく見ば猿にかも似む 万344
*あららみっともないねえ、賢そうにして酒を飲まない人は。よく見ると猿に似てる。

大伴 旅人 おおともの たびと 
665天智天皇4年 - 731天平3年8月31日 66歳。
飛鳥時代~奈良時代初期の公卿・歌人。
父親は大伴安麻呂。妻は大伴郎女、息子は、百人一首6番歌の歌人・大伴家持。主君は、文武天皇元明天皇→元正天皇→聖武天皇。
728(63) 大宰府に赴任、山上憶良・満誓らと筑紫歌壇を形成。

【似顔絵サロン】














〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集一』角川ソフィア文庫。
https://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/tabito2.html
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E4%BC%B4%E6%97%85%E4%BA%BA

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