大伴旅人の万葉集438-440番歌~アルケーを知りたい(1087)

▼万葉集438から440番歌は旅人が任地先の大宰府で妻を亡くした悲しみを歌ったもの。

▼大伴旅人の和歌と*勝手に解釈
神亀五年(728年)戊辰(つちのえたつ、3月)、大宰帥大伴卿、故人を思(しの)ひ恋ふる歌三首
愛しき人のまきてし敷たへの 我が手枕をまく人あらめや 万438
右の一首は、別れ去にて数旬を経て作る歌。
*愛しい人がしていた私の手枕、その人はもういない。

帰るべく時はなりけり都にて 誰が手本をか我が枕かむ 万439
*大宰府から都に帰る時が来た。しかし戻ったとて私を手枕にした人はいない。

都なる荒れたる家に独り寝ば 旅にまさりて苦しかるべし 万440
右の二首は、京に向ふ時に臨近(ちか)づきて作る歌。
*都に残していた荒れた家に戻って一人で寝るのは旅の宿で寝るよりも辛いだろう。

【似顔絵サロン】似顔絵は旅人の妻が死去した年、神亀5(728)年に生まれた坂上田村麻呂














〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集一』角川ソフィア文庫。
https://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/tabito2.html
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E4%BC%B4%E6%97%85%E4%BA%BA

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