大伴旅人の万葉集446-448番歌~アルケーを知りたい(1088)
天平二年(730年)庚午(かのえうま)の冬十二月、大宰帥大伴卿、京に向ひて道に上る時に作る歌五首
我妹子(わぎもこ)が見し鞆の浦のむろの木は 常世(とこよ)にあれど見し人ぞなき 万446
*(京都から任地の大宰府に行く途中で)我が妻と見た鞆の浦のむろの木は、当時のまま立っている。しかし、今、妻はいない。
鞆の浦の磯のむろの木見むごとに 相見し妹は忘られえめやも 万447
*鞆の浦の磯のむろの木をこの先見ることがあれば、昔一緒に見た妻のことを思い出すだろう。
磯の上に根延(ねば)ふむろの木見し人を いづらと問はば語り告げむか 万448
右の三首は、鞆の浦を過ぐる日に作る歌。
*磯の上で根を張っているむろの木に、一緒に見た人はいまどうしているかと問えば答えてくれるのだろうか。
【似顔絵サロン】旅人の同時代人、太 安万侶(おおのやすまろ) ? - 723 貴族・武人。712年『古事記』を編纂。
〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集一』角川ソフィア文庫。
https://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/tabito2.html
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E4%BC%B4%E6%97%85%E4%BA%BA
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