大伴旅人の万葉集451-453番歌~アルケーを知りたい(1090)

▼今回の歌は旅人が京都の自宅に戻ったときに詠んだ3首。
▼空っぽの家、二人で作った庭、妻が植えた木。独りになった寂しさが伝わる。

古郷に家に還り入りて、すなはち作る歌三首
人もなき空しき家は草枕 旅にまさりて苦しくありけり 万451
*妻がいない空っぽの家は、旅で宿に泊ったとき以上の苦しさがある。

妹としてふたり作りし我が山斎(しま)は 木高く茂くなりにけるかも 万452
*妻と相談して作った我が家の庭に目をやると、一緒に植えた木が伸びて葉が茂っている。

我妹子(わがもこ)が植ゑし梅の木見るごとに 心むせつつ涙し流る 万453
*わが妻が植えた梅の木を見るたびに、胸が詰まり涙が出る。

【似顔絵サロン】同時代の人物:行基(ぎょうき) 668 - 749 81歳 仏僧。奈良の大仏造立の責任者。















〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集一』角川ソフィア文庫。
https://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/tabito2.html
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E4%BC%B4%E6%97%85%E4%BA%BA

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