大伴旅人の万葉集576番歌~アルケーを知りたい(1096)

▼今回の歌は、旅人が京都に戻った後、「梅花の宴」に参加していた筑後守の葛井連大成(ふぢゐのむらじおほなり)が寂しがって詠んだ歌。

 太宰帥大伴卿が京に上りし後に、筑後守葛井連大成が悲嘆(かな)しびて作る歌一首
今よりは城山(きやま)の道はさぶしけむ 我が通はむと思ひしものを 万576
*これからは大宰府に向かう城山の道を歩くときは寂しい気持ちになります。旅人様とお目にかかれると楽しみに通っていた道ですから。

▼旅人がまだ大宰帥だった時に開いた「梅花の宴」で参加者は次々に歌を詠んだ。このとき葛井連大成が詠んだ歌は「梅の花今盛りなり思ふどち かざしにしてな今盛りなり 万820」。「思ふどち」は気の合う仲間同士の意味。良い言葉、好きな言葉だ。

【似顔絵サロン】藤原 麻呂(ふじわら の まろ) 695 - 737 42歳。長屋王と対立した藤原四兄弟の四男。藤原京家の祖。長屋王の変の8年後、天然痘で死去。














〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集一』角川ソフィア文庫。
https://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/tabito2.html
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E4%BC%B4%E6%97%85%E4%BA%BA

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