大伴旅人の万葉集823-829番歌~アルケーを知りたい(1105)
▼梅花の歌三十二首その2
▼梅の花を詠むときのそれぞれの詠み手の工夫が参考になる。花が散った後を気にしてみる、ウグイス・青柳・桜を引き合いに出す、かんざしにして遊ぼうと呼びかける等。
梅の花散らくはいづくしかすがに この城の山に雪は降りつつ 大監伴氏百代 万823
*梅の花は散るとどこに行くのでしょう、この城の山に雪が降っているようですけど。
梅の花散らまく惜しみ我が園の 竹の林にうぐひす鳴くも 少監阿氏奥島 万824
*梅の花が散るのを惜しんでこの庭の竹林で鶯が鳴いています。
梅の花咲きたる園の青柳を かづらにしつつ遊び暮らさな 少監土氏百村 万825
*梅の花が咲いている庭の青柳を蔓にして一日遊びましょう。
うち靡く春の柳と我がやどの 梅の花とをいかにか分かむ 大典史氏大原 万826
*柔らかく靡く春の柳と我われの庭の梅の花をどうやって見分けましょう。
春されば木末隠りてうぐひすぞ 鳴きて去ぬなる梅が下枝に 少典山氏若麻呂 万827
*春が終われば木の末に隠れて鶯が鳴くことでしょう。鳴いては梅の下枝に移るのです。
人ごとに折りかざしつつ遊べども いやめづらしき梅の花かも 大判事丹氏麻呂 万828
*人びとが折りかざして遊んでおられる、それにしても素晴らしい梅の花です。
梅の花咲きて散りなば桜花 継ぎて咲くべくなりにてあらずや 薬師張氏福子 万829
*梅の花が咲いて散ったら続いて桜花が咲くのでしょうね。
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〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集一』角川ソフィア文庫。
https://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/tabito2.html
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E4%BC%B4%E6%97%85%E4%BA%BA
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