山上憶良の万葉集802-803番歌~アルケーを知りたい(1133)

▼今回は教科書で紹介される山上憶良の代表的な和歌。「瓜食めば 子ども思ほゆ 栗食めば まして偲はゆ」「銀も金も玉も何せむに まされる宝子にしかめやも
▼親にこれほど思ってもらえる子どもは幸いなり。学校の先生が尊敬されるのは家の宝を育てているからなり。

 子等を思ふ歌一首 幷せて序
釈迦如来、金口(こんく)に正に説きまたはく、「等しく衆生を思ふこと羅睺羅(らごら)のごとし」と。
また、説きたまはく、「愛は子に過ぎたることなし」と。
至極の大聖すらに、なほ子を愛したまふ心あり。
いはむや、世間の蒼生、誰か子を愛せずあらめや。

瓜食めば 子ども思ほゆ 栗食めば まして偲はゆ いづくより 来りしものぞ まなかにひ もとなかかりて 安眠し寝さぬ 万802
*瓜を食べると子どものことを思う。栗を食べるともっと子どものことを思う。この子らは、どこからどういう因縁で来たのだろう。目の前をちらちら動いておちおち眠れないのだが。

 反歌
銀も金も玉も何せむに まされる宝子にしかめやも 万803
*銀も金も玉も何だというのか。子どもに勝る宝などないよ。

【似顔絵サロン】憶良(660-733)の同時代人(?)。菩提 達磨 ぼだい だるま ? - ? インド人仏教僧。禅宗の開祖。














〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集一』角川ソフィア文庫。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B1%B1%E4%B8%8A%E6%86%B6%E8%89%AF
https://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/okura2.html

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