大伴旅人の万葉集880-882番歌~アルケーを知りたい(1118)

▼旅人の松浦作用姫の歌を見て、憶良が旅人に贈った歌。自分も都に帰りたいよおという気持ちが伝わる。ダイレクトに奈良の都に召上げたまはね」とはっきり伝えている。

 敢へて私懐を布ぶる歌三首
天離る鄙に五年住まひつつ 都のてぶり忘らえにけり 万880
*都からはるかに離れたこの田舎に住んでもう5年、都のライフスタイルを忘れてしまっております。

かくのみや息づき居らむあらたまの 来経行く年の限り知らずて 万881
*私はこんなふうにため息をつきながら何年こうしているのか分からないまま過ごしていくのでしょうか。

我が主の御霊賜ひて春さらば 奈良の都に召上げたまはね 万882
*わがご主人様のお恵みを賜り、春になったら奈良の都にお呼びくださいませ。

 天平二年十二月六日 筑前国司山上憶良 謹上

【似顔絵サロン】旅人(665-731)の同時代人。文室 浄三 ふんや の きよみ 693 - 770 77歳。天武天皇の孫。














〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集一』角川ソフィア文庫。
https://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/tabito2.html
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E4%BC%B4%E6%97%85%E4%BA%BA

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