山部赤人の万葉集1424-1427番歌~アルケーを知りたい(1205)

▼赤人は、野外に出てスミレ摘みする精神的・時間的なゆとりがあったのだ。自分にはそんな心の余裕がないと反省。多摩川に水の匂ひを嗅ぎにいくか。

 山部宿禰赤人が歌四首
春の野にすみれ摘みにと来し我れぞ 野をなつかしみ一夜寝にける 万1424
*春の野のスミレを摘もうとやってきた私です。草原の美しさに浸りたくて一夜を過ごしました。

あしひきの山桜花日並べてかく咲きたらば いたく恋ひめやも 万1425
*山桜花が何日も咲き続けるとしたら、これほど心惹かれるでしょうか。

我が背子に見せむと思ひし梅の花 それとも見えず雪の降れれば 万1426
*私の夫に見せたいと思っていた梅の花、雪が降り積もってどれが花か分かりません。

明日よりは春菜摘まむと標めし野に 昨日も今日も雪は降りつつ 万1427
*明日から春菜摘みに行こうと思って繩を張っていた草原に、昨日も今日も雪が降っています。

【似顔絵サロン】山部赤人(700-736)の先代人。謝 霊運 しゃ れいうん 385 - 433 詩人・文学者。「山水詩」の祖。














〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_utabito&dataId=695
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B1%B1%E9%83%A8%E8%B5%A4%E4%BA%BA
https://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/akahito2.html

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