山部赤人の万葉集322-323番歌~アルケーを知りたい(1194)

▼今回は、赤人が松山の道後温泉で作った歌。かつて天皇が訪れた地の風景を詠んだ。道後温泉は、歴史と赤人の歌を持つ地であることがわかる。千年後には俳句の地になる。たしかに「遠き代に神さびゆかむ 幸しところ」だ。

 山部宿禰赤人、伊予の温泉に至りて作る歌一首 幷せて短歌
すめろきの 神の命の
敷きいます 国のことごと
湯はしきも さにはあれども
島山の 宜しき国と
こごしかも 伊予の高嶺の
射狭庭(いざには)の 岡に立たして
歌思ひ 辞思ほしし
み湯の上の 木群を見れば
臣の木も 生ひ継ぎにけり
鳴く鳥の 声も変らず
遠き代に 神さびゆかむ
(いでま)しところ 万322

 反歌
ももしきの大宮人の熟田津に 船乗りしけむ年の知らなく 万323
*昔、熟田津で大宮人が船乗りしていた時代がいつだったのか、分からなくなりました。

【似顔絵サロン】山部赤人(700-736)の先代人。クローヴィス1世 Clovis I 466 - 511 メロヴィング朝フランク王国の初代国王。














〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集一』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_utabito&dataId=695
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B1%B1%E9%83%A8%E8%B5%A4%E4%BA%BA
https://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/akahito2.html

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