山部赤人の万葉集357-361番歌~アルケーを知りたい(1196)

▼赤人が瀬戸内を旅したときの歌六首のうちの五首。舟で移動しているので、舟、島、磯、藻など海に関係するワードが出てくる。5つめの歌だけが陸の話。

 山部宿禰赤人が歌六首
繩の浦ゆそがひに見ゆる沖つ島 漕ぎ廻る舟は釣りしすらしも 万357
*繩の浦の後ろに見える沖の島あたりで漕ぎ廻っている舟は釣りでもしておるのかな。

武庫の浦を漕ぎ廻る小舟粟島を そがひに見つつ羨しき小舟 万358
*武庫の浦を漕ぎ回っている小舟よ。粟島を後ろに見ながらな漕いでいるのが羨ましいぞ、小舟よ。

阿倍の島鵜の棲む磯に寄する波 間なくこのころ大和し思ほゆ 万359
*阿倍の島の鵜が棲む磯に寄せる波のように絶えず大和のことを思っています。

潮干なば玉藻刈りつめ家の妹が 浜づと乞はば何を示さむ 万360
*潮が引いたら玉藻を刈り集めておこう。家の妻が土産が欲しいと言ったら他に何もないので。

秋風の寒き朝明を佐農の岡 越ゆらむ君に衣貸さましを 万361
*秋風が寒い朝、佐農の岡を越えるあなた様に、防風着をお貸しすれば良かった。

【似顔絵サロン】山部赤人(700-736)の先代人。蕭 衍 しょう えん 464 - 549 南朝梁の初代皇帝。

















〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集一』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_utabito&dataId=695
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B1%B1%E9%83%A8%E8%B5%A4%E4%BA%BA
https://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/akahito2.html

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