柿本人麻呂の万葉集426、428番歌~アルケーを知りたい(1185)

▼人麻呂の時代は、行き倒れの人の遺体が目に入ることがあったようだ。火葬の煙も見えた。目にするたびに生き死にを意識したに違いない。

 柿本朝臣人麻呂、香具山の屍を見て、悲慟しびて作る歌一首
草枕旅の宿りに誰が夫か 国忘れたる家待たまくに 万426
*旅の途中で誰の夫か分からないが、国を忘れたように臥せる人がいる。国では家人が待っているであろうに。

 土形娘子を泊瀬の山に火葬る時に、柿本朝臣人麻呂が作る歌一首
こもりくの泊瀬の山の山の際に いさよふ雲は妹にかもあらむ 万428
*ひっそりとした泊瀬の山。その山の際でただよっている雲はあの娘子なのだろうか。

【似顔絵サロン】柿本人麻呂(660-724)の先代人。欽明天皇 きんめいてんのう 509 - 571 第29代天皇。















〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集一』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetailLink?cls=d_utabito&dataId=201
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9F%BF%E6%9C%AC%E4%BA%BA%E9%BA%BB%E5%91%82
https://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/hitomaro2_t.html

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