柿本人麻呂の万葉集501-504番歌~アルケーを知りたい(1188)

▼501、502番は今の時代、ペテン師が使いそうなセリフ。自分がひねくれているせいか、これだけ見ると、その言葉、果たして信用できるかどうか分からない、と疑ってしまう(笑)。でも、503番などは、分かる分かる、そんなことあるよなーという感じ。

 柿本朝臣人麻呂が歌三首
未通女らが袖布留山の瑞垣の 久しき時ゆ思ひき我は 万501
*乙女らが別れの時に袖を振ったという袖布留山の垣根が昔からあるように、私はお前さんをずっと思って来たんだよ。

夏野行く小鹿の角の束の間も 妹が心を忘れて思へや 万502
*夏の野原を歩く小鹿の角、それくらい短い間だって私はお前さんを忘れないのさ。

玉衣のさゐさゐしずみ家の妹に 物言はず来にて思ひかねつも 万503
*出かけるときの騒々しさが静まると、ふと家に残した妻に言い忘れたことがなかったか、気になってしまう。

 柿本朝臣人麻呂が妻の歌一首
君が家に我が住坂の家道をも 我れは忘れじ命死なずは 万504
*あなた様の家に続く住坂の道を私は死んでも忘れませんよ。

【似顔絵サロン】柿本人麻呂(660-724)の先代人。蕭 統 しょう とう 501 - 531 南朝梁の皇族。『文選』を編纂。














〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集一』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetailLink?cls=d_utabito&dataId=201
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9F%BF%E6%9C%AC%E4%BA%BA%E9%BA%BB%E5%91%82
https://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/hitomaro2_t.html

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