山部赤人の万葉集917-919番歌~アルケーを知りたい(1198)
▼今回の歌は724年に聖武天皇が和歌の浦に行幸したときの歌。長歌を見ると対比のフレーズを探したくなる。今回は「風吹けば白波騒き 潮干(ふ)れば玉藻刈りつつ」を発見。風景に動画的な動きが出てくる。
神亀元年甲子の冬の十月五日に、紀伊の国に幸す時に、山部宿禰赤人が作る歌一首 幷せて短歌
やすみしし 我ご大君の
常宮と 仕へ奉れる
雑賀野ゆ そがひに見ゆる
沖つ島 清き渚に
風吹けば 白波騒き
潮干れば 玉藻刈りつつ
神代より しかぞ貴き
玉津島山 万917
*雑賀野の向こうに見える沖の島の渚が見事です。神代から貴い玉津島山です。
反歌二首
沖つ島荒磯の玉藻潮干満ち い隠りゆかば思ほえむかも 万918
*沖にある島の荒磯の玉藻が満潮で見えなくなったら、どうしようと思うことでしょう。
若の浦に潮満ち来れば潟をなみ 葦辺をさして鶴鳴き渡る 万919
右は、年月を記さず。ただし、「玉津島に従駕す」といふ。
よりて今、行幸の年月を検し注して載す。
*和歌の浦が満潮になったら、干潟がなくなるので、葦辺に向かって鶴が鳴きながら渡って行きます。
【似顔絵サロン】山部赤人(700-736)の先代人。大伴 金村 おおとも の かなむら ? - ? 豪族。外交政策の失敗で失脚。
〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集一』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_utabito&dataId=695
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B1%B1%E9%83%A8%E8%B5%A4%E4%BA%BA
https://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/akahito2.html
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