山部赤人の万葉集923-925番歌~アルケーを知りたい(1199)

赤人が作る歌二首の最初の一首。長歌と短歌2つで構成。春、秋、山、川を詠みこんだ長歌。もう一首は次回。

 山部宿禰赤人が作る歌二首 幷せて短歌
やすみしし 我ご大君の
高知らす 吉野の宮は
たたなづく 青垣隠り
川なみの 清き河内ぞ
春へは 花咲ををり
秋されば 霧立ちわたる
その山の いやしくしくに
この川の 絶ゆることなく
ももしきの 大宮人は
常に通はむ 万923
*吉野の宮は山の緑美しく、川は清く、春は花、秋は霧が見事です。宮仕えの人は吉野の宮に常に通うことでしょう。

 反歌二首
み吉野の象山の際の木末には ここだも騒ぐ鳥の声かも 万924
*吉野の象山の木立ではこんなにもたくさんの鳥が鳴き騒いでいます。

ぬばたまの夜の更けゆけば 久木生ふる清き川原に千鳥しば鳴く 万925
*夜が更けると木が生えている清らかな川原で千鳥が鳴いています。

【似顔絵サロン】山部赤人(700-736)の先代人。大伴 室屋 おおとも の むろや ? - ? 古代日本の豪族。允恭天皇から顕宗天皇まで5代の天皇に大連として仕えた。














〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集一』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_utabito&dataId=695
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B1%B1%E9%83%A8%E8%B5%A4%E4%BA%BA
https://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/akahito2.html

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