山部赤人の万葉集933-934番歌~アルケーを知りたい(1201)

▼今回、赤人は、天地の悠久を「遠きがごとく」、日月の無限を「長きがごとく」と表す。漢字本文は「天地之遠我如日月之長我如」と書く。言っていることは同じでも、例えば「天地悠久、日月無限」と表すのと印象が違う。和語の表現はしっくり来る。漢字で書いてあっても大和言葉の響きが伝わる。でも漢語表現だと畏まった印象。借りて来た感さえする。(ところが漢詩を中国語で読むのを聞くと柔らかくて音楽のよう。) 
▼この歌のキーワードに「玉(珠)」がある。漢字二文字なんだけど、しっくり来る。何が違うのか分からんけど、鰒を食べたくなる、そして和語をもっとうまく使えるようになりたくなる。

 山部宿禰赤人が作る歌一首 幷せて短歌
天地の 遠きがごとく 
日月の 長きがごとく 
おしてる 難波の宮に 
我ご大君 国知らすらし 
御食つ国 日の御調と
淡路の 野島の海人の 
海の底 沖つ海石に 
玉 さはに潜き出 
舟並めて 仕へ奉るし 
貴し見れば 万933

 反歌一首
朝なぎに楫の音聞こゆ御食つ国 野島の海人の舟にしある 万934
*朝なぎの海に漕ぎ出す舟の楫の音が聞こえます。淡路は野島で天皇の御食料の鮑を採る海人の舟でしょう。

【似顔絵サロン】山部赤人(700-736)の先代人。オドアケル Odoacer 433 - 493 ローマ帝国の軍人。ローマ帝国のイタリア領主。















〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集一』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_utabito&dataId=695
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B1%B1%E9%83%A8%E8%B5%A4%E4%BA%BA
https://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/akahito2.html

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