万葉集巻13-15番歌(香具山は畝傍を惜しと)~アルケーを知りたい(1238)

▼この歌に出てくる香具山と耳成を、現代の国の名前に置き換え、畝傍を現代の地域の名前に置き換えると、神代より・古も・うつせみもこの世で起こることは変わらないなあ、と思ふ。

 中大兄<近江の宮に天の下知らしめす天皇>の三山の歌
香具山は 畝傍を惜しと
耳成と 相争ひき
神代より かくあるらし 
古も しかにあれこそ 
うつせみも 妻を争ふらしき 万13
*香具山は畝傍を手放したくないというので耳成と争ったという。
神代からそんな調子であるらしい。昔からそうだったので現代も女性を巡って男どもが争うのだ。

 反歌
香具山と耳成山と闘ひし時 立ちて見に来し印南国原 万14
*香具山と耳成山が戦ったとき、立ち見に来たのが印南国原だ。

海神の豊旗雲に入日さし 今夜の月夜さやけくありこそ 万15
*海の向こうに出ている雲に夕陽がさしている。今夜の月夜は清く澄むだろう。

【似顔絵サロン】天智天皇 てんちてんのう 中大兄皇子 626 - 672 第38代天皇。645年、19歳のとき中臣鎌足と共に皇極天皇の御前で蘇我入鹿を殺す「乙巳の変」を実行。














〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集一』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=1

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