大伴家持の万葉集3853-3854番歌~アルケーを知りたい(1220)

痩せの大食いの石麻呂を家持がからかっている歌。二人は仲が良いので、石麻呂は家持にうるさいよなどと返したのではないかと想像すると楽しい。


 痩人を嗤咲ふ歌二首

石麻呂に我れ物申す夏痩せに よしといふものぞ鰻捕り喫せ 「めせ」の反なり 万3853

*石麻呂どのに私が助言しましょう。夏痩せ対策に鰻を召しあがれ。


痩す痩すも生けばあらむをはたやはた 鰻を捕ると川に流るな 万3854

*痩せてもこけても生きていれば良い。鰻を捕ろうとして川で流されないように(笑)。

 右は、吉田連老、字は石麻呂といふものあり。

いはゆる仁敬が子なり。

その老、人となりて身体いたく痩せたり。

多く喫ひ飲めども、形飢饉に似たり。

これによりて、大伴宿禰家持、いささかにこの歌を作りて、もちて戯咲を為す。


【似顔絵サロン】大伴家持(718-785)の同時代人。4歳年上。大伴 熊凝 おおとも の くまごり 714 - 731 奈良時代の地方官吏。731年に国司の従人として肥後国益城郡から上京する途上で病死。万886-891















〔参考〕

伊藤博訳注『新版 万葉集二、三』角川ソフィア文庫。

https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_utabito&dataId=174

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E4%BC%B4%E5%AE%B6%E6%8C%81

https://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/yakamot2.html


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