大伴家持の万葉集3983-3984、3988番歌~アルケーを知りたい(1227)
▼ホトトギスは立夏の日に来て鳴くのが必定なり、とのこと。知らんかった。昔と今は暦が違うけど、今年の立夏は5月5日。
立夏四月、すでに累日を経ぬるに、なほし霍公鳥の鳴くを聞かず。よりて作る恨みの歌二首
あしひきの山も近きをほととぎす 月立つまでに何か来鳴かぬ 万3983
*山に近い場所というのに、ホトトギスよ、立夏(三月二十一日)を過ぎたのになぜ来て鳴かないの?
玉に貫く花橘をともしみし この我が里に来鳴かずあるらし 万3984
*橘の木が少ないから、私の庭に来て鳴かないのだろう。
霍公鳥は、立夏の日に、来鳴くこと必定なり。
また、越中の風土は、橙橘のあること希なり。
これによりて、大伴宿禰家持、懐に感発して、いささかにこの歌を裁る。三月の二十九日。
四月の十六日の夜の裏に、遥かに霍公鳥の喧くを聞きて、懐を述ぶる歌一首
ぬばたまの月に向ひてほととぎす 鳴く音遥けし里遠みかも 万3988
右は、大伴宿禰家持作る。
*暗い夜、月に向かってホトトギスが鳴く声がかすかに聞こえる。里から遠いところにいるのだろう。
【似顔絵サロン】大伴家持(718-785)の同時代人。11歳年上。儲 光羲 ちょ こうぎ 707 - 763 唐の詩人
〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集四』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_utabito&dataId=174
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E4%BC%B4%E5%AE%B6%E6%8C%81
https://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/yakamot2.html
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