大伴家持の万葉集3985-3987番歌~アルケーを知りたい(1228)

▼今回の歌に出る二上山と渋谿は富山県高岡市にある山と海。射水川は現在の名は小矢部川。見れば素晴らしい山、川、海である、昔からもこれからも見る人は賛美するだろう、と詠う。

 二上山の賦一首<この山は射水の郡に有り>
射水川 い行き廻れる 
玉櫛笥 二上山は 
春花の 咲ける盛りに 
秋の葉の にほへる時に 
出で立ちて 振り放け見れば 
神からや そこば貴き 
山からや 見が欲しからむ 
統め神の 裾廻の山の 
渋谿の 崎の荒磯に 
朝なぎに 寄する白波 
夕なぎに 満ち来る潮の 
いや増しに 絶ゆることなく 
いにしへゆ 今のをつつに 
かくしこそ 見る人ごとに 
懸けて偲はめ 万3985

渋谿の崎の荒磯に寄する波 いやしくしくにいにしへ思ほゆ 万3986
*渋谷崎の荒磯に打ち寄せる波を眺めているうちに、つぎつぎ昔のことが思い出される。

玉櫛笥二上山に鳴く鳥の 声の恋しき時は来にけり 万3987
*二上山で鳴く鳥の声が恋しくなる時期がやってきた。
 右は、三月の三十日に、興に依りて作る。大伴宿禰家持

【似顔絵サロン】大伴家持(718-785)の同時代人。12歳年上。藤原 仲麻呂  ふじわら の なかまろ 恵美押勝 706 - 764 奈良時代の公卿。藤原武智麻呂の次男。














〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集四』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_utabito&dataId=174
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E4%BC%B4%E5%AE%B6%E6%8C%81
https://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/yakamot2.html

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