万葉集巻第二103-104番歌(我が里に大雪降れり)~アルケーを知りたい(1262)

▼今回は天武天皇が藤原夫人に贈ったいたずらっぽい歌と、藤原夫人(ぶにん)が天武天皇にやり返した歌のセット。藤原夫人、負けてません。

 明日香の清御原の宮に天の下知らしめす天皇の代 天渟名原瀛真人天皇、諱して天武天皇といふ
 天皇、藤原夫人に賜ふ御歌一首
我が里に大雪降れり 大原の古りにし里に降らまくは後 万103
*私のいる里に大雪が降ったぞ。お前がいる大原の古い里にはもうすこし後になったら降るだろう。

 藤原夫人、和へ奉る歌一首
我が岡のおかみに言ひて降らしめし 雪のくだけしそこに散りけむ 万104
*その雪は私が岡の神に言いつけて降らせたものです。その雪の断片がそっちで降ったのですよ。

【似顔絵サロン】藤原 麻呂 ふじわら の まろ 695年 - 737年 奈良時代の公卿。藤原夫人(ぶにん)が母親、藤原不比等の四男。藤原四兄弟の四男。藤原京家の祖。上には聖主有りて、下には賢臣有り僕のごときは何を為さんや。なお琴酒を事とするのみ














〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集一』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=2

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