万葉集巻第二141‐142番歌(岩代の浜松が枝を引き結び)~アルケーを知りたい(1263)
▼今回は有間皇子の歌。謀反の疑いで処刑された、享年18歳の皇子。
挽歌
後の岡本の宮に天の下知らしめす天皇の代 天豊財重日足姫天皇、譲位の後に、後の岡本の宮に即きたまふ
有間皇子、自ら傷みて松が枝を結ぶ歌二首
岩代の浜松が枝を引き結び ま幸くあらばまた帰り見む 万141
*また戻って来れるように祈って岩代の浜の松の枝を結びます。幸運であれば帰るときにまた見よう。
家なれば笥に盛る飯を草枕 旅にしあれば椎の葉に盛る 万142
*家にいたら飯は食器に盛ります。でもいまは旅の途中なので、椎の葉に盛るのです。
【似顔絵サロン】有間皇子 ありまのみこ 640年 - 658年 飛鳥時代の皇族。孝徳天皇の皇子。斉明天皇(=皇極天皇)と中大兄皇子(=天智天皇)への謀反を企てた、という理由で藤白坂で絞首刑。
〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集一』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=2
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