万葉集巻51番歌(采女の袖吹きかへす)~アルケーを知りたい(1252)
▼明日香の宮の場所は、いまの奈良県高市郡明日香村。藤原の宮は奈良県橿原市。Googleマップで見ると、その間は5kmくらい。それくらいの距離、とはいっても、宮が移ると心理的な作用が働くのだろう。この歌では志貴皇子は、旧都の風を「いたづらに吹く」と表した。
明日香の宮より藤原の宮に遷りし後に、志貴皇子の作らす歌
采女の袖吹きかへす明日香風 都を遠みいたづらに吹く 万51
*明日香の風が吹いて采女の袖を翻している。藤原に遷都したので空しく吹いている。
【似顔絵サロン】志貴皇子 しきのみこ 668年 - 716年 天智天皇の第7皇子。吉野の盟約に参加。光仁天皇の父親。皇位と無縁の文化人。歌人。今日の皇室は、志貴皇子の男系子孫。
〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集一』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=1
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