万葉集巻第三280、282番歌(いざ子ども大和へ早く)~アルケーを知りたい(1278)

▼280番は高市黒人が「いざ子ども=さあ、みなさん」で呼び掛ける歌。「いざ子ども」と聞くとまず思い出すのが、山上憶良の63番「いざ子ども早く日本へ大伴の 御津の浜松待ち恋ひぬらむ」だ。両方とも、さあ帰るぞ、という喜びのエネルギーに満ちていて良き。

 高市連黒人が歌
いざ子ども大和へ早く白菅の 真野の榛原手折りて行かむ 万280
*さあみなさん、大和へ早く帰りましょう。白菅が生い茂る真野に生えている榛の木の小枝を土産に手折って行きましょう。

 春日蔵首老が歌一首
つのさはふ磐余も過ぎず泊瀬山 いつかも越えむ夜は更けにつつ 万282
*まだ磐余にも到着していない。手前の泊瀬山を越えるのはいつになるだろう。もう夜は更けてきたのに。

【似顔絵サロン】春日倉 老 かすがのくら の おゆ 670年 - 720年 飛鳥時代~奈良時代の僧・貴族・歌人。















〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集一』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=3

コメント

このブログの人気の投稿

万葉集巻第二147‐149番歌(天の原振り放け見れば大君の)~アルケーを知りたい(1266)

万葉集巻22番歌(常にもがもな常処女)~アルケーを知りたい(1242)

万葉集巻第二143‐144番歌(岩代の崖の松が枝結びけむ人は)~アルケーを知りたい(1264)