万葉集巻第三310‐311番歌(東の市の植木の木垂るまで)~アルケーを知りたい(1286)

▼310番は、植木の枝が伸びて長くなるまで会ってないと恋しい、と詠っている。最初は、ずいぶん長い時間だろう、と思っていた。でも考えてみると樹木によっては枝の伸びっぷりは早い。だからこの歌には、ちょっとでも逢わないと恋しい、という意味も重ね合わせているのか、とも思ふ。311番は九州は豊前の国の鏡山を詠った作品。

 門部王、東の市の樹を詠みて作る歌一首 後に姓大原真人の氏を賜はる
東の市の植木の木垂るまで 逢はず久しみうべ恋ひにけり 万310
*東の市の植木の枝がずいぶんと垂れさがるまでの期間、長い間逢っていないなかったのですから、恋しくなるのはしょうがありません。

 桉作村主益人、豊前の国より京に上る時に作る歌一首
梓弓引き豊国の鏡山 見ず久ならば恋しけむかも 万311
*豊前の鏡山は、ちょっと見なくても恋しくなるだろうなあ。

【似顔絵サロン】門部王 かどべおう ? - ? 奈良時代の皇族。太政大臣・高市皇子の子。














按作 益人 くらつくりの ますひと ? - ? 官吏。村主は渡来系氏の姓。















〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集一』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=3

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