万葉集巻第三327、353番歌(海神の沖に持ち行きて放つとも)~アルケーを知りたい(1289)

▼今回はいたずら好きのギャルたちが僧に絡む歌。どんな絡みかというと、干しアワビを持っていって、お坊さんの力で蘇らせてよ、とせがんで見せる。坊さんの通観の答えが327番。わりと普通。ということはこの勝負、ギャルたちの勝ち。

 或る娘子ら、褁める乾鮑を贈りて、戯れて通観僧の呪願を請ふ時に、通観が作る歌一首
海神の沖に持ち行きて放つとも うれむぞこれがよみがへりなむ 万327
*海神様の海の沖で放しても、こんなもんが蘇るわけないだろうが。

 釈通観が歌一首
み吉野の高城の山に白雲は 行きはばかりてたなびけり見ゆ 万353
*吉野の高城山の白雲はスルーしにくいのか、山の上で動こうとしない。

【似顔絵サロン】釈 通観 しゃくつうくわん ? - ? 奈良時代の歌人。大伴旅人と親交。















〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集一』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=3

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