万葉集巻第三368‐369番歌(大船に真楫しじ貫き)~アルケーを知りたい(1293)

▼今回は役所の仕事で動く男たちの歌。368番は大きな手漕ぎ船に乗って若狭湾あたりを移動している時の作品、369番は物部ファミリーの男は天皇の命で動くと宣言している歌。統治はよく行き届いた社会になっている印象。

 石上大夫が歌一首
大船に真楫しじ貫き大君の 命畏み磯廻するかも 万368
*大型船の横から楫を突き出して、大君のご命令に従って磯を廻るのです。
 右は、今案ふるに、石上朝臣乙麻呂、越前の国守に任けらゆ。けだしこの大夫か。

 和ふる歌一首
物部の臣の壮士は大君の 任けのまにまに聞くといふのもぞ 万369
*物部につらなる男は、大君のご命令に従って立ち働くのである。
 右は、作者いまだ審らかにあらず。ただし、笠朝臣金村が歌の中に出づ。

【似顔絵サロン】石上 乙麻呂 いそのかみの おとまろ ? - 750年 奈良時代の公卿・文人。















〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集一』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=3

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