万葉集巻第三427番歌(八十隈坂に手向けせば)~アルケーを知りたい(1299)

刑部垂麻呂の歌は、万葉集第三巻に2首ある。一つが今回の挽歌。もう一つが「馬ないたく打ちそな行きそ 日ならべてみても我が行く志賀にあらなくに 万263」。両方とも実際は違うんだけど、気持ち的にはこうあったら良いのに、という思いが下敷きにある。現実と思いのギャップを歌にしている。

 田口広麻呂が死にし時に、刑部垂麻呂が作る歌一首
百足らず八十隈坂に手向けせば 過ぎにし人にけだし逢はむかも 万427
*黄泉に通じるというくねくねと曲がった八十隈坂に捧げ物をすれば、もしかして亡くなった方に再び会えるだろうか。

【似顔絵サロン】田口 広麻呂 たぐち の ひろまろ ? - ? 飛鳥時代の貴族。逝去した後、刑部垂麻呂が427番歌を詠んだ。















刑部 垂麻呂 おさかべ の たりまろ ? - ?  飛鳥時代の人物。















〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集一』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=3

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