万葉集巻第六1003‐1004番歌(海人娘子玉求むらし)~アルケーを知りたい(1311)
▼1003番は構造が、A:観察したこと、B:解釈、で、このスタイルは分かりやすいから好き(そのままだと味もそっけもないから倒置法をカマしてるけど)。A:漁師は波が高いのに舟を出している、B:お宝を探しているらしい。Aは誰が見ても同じもの。Bはその人の解釈だから、面白さや味が出る。
▼1004番は、おもてなしには、カエルの声を一緒に聞くのもありなんだ、と気づかせてくれる。人をもてなすのはこうでなくては、と固く考えがちな頭を解きほぐしてくれる。
筑後守外従五位下葛井連大成、遥かに海人の釣舟を見て作る歌一首
海人娘子玉求むらし沖つ波 畏き海に舟出せり見ゆ 万1003
*海人たちは玉を探しているらしい。沖の波も恐ろしい海に舟を出しているところをみると。
鞍作村主益人が歌一首
思ほえず来ましし君を佐保川の かはづ聞かせず帰しつるかも 万1004
*思いがけずご来訪くださった貴方様に佐保川のカエルの声をお聞かせするのを忘れてお帰ししてしまいました。
右は内匠寮大属鞍作村主益人、いささか飲饌を設けて、長官佐為王に饗す。
いまだ日斜つにも及ばねば、王すでに還帰りぬ。
時に、益人、厭かぬ帰りを怜惜しみ、よりてこの歌を作る。
【似顔絵サロン】葛井 大成 ふじい の おおなり ? - ? 奈良時代の官人。筑後守。大伴旅人と交流。
按作村主益人 くらつくりのすぐりますひと ? - ? 官吏。村主は渡来系氏の姓。
橘 佐為 たちばな の さい ? - 737年 奈良時代の貴族。諸兄の弟。子が橘文成。
〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=6
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