万葉集巻第六1013‐1015番歌(あらかじめ君来まさむと知らませば)~アルケーを知りたい(1315)

奈良時代の皇族の方々の交遊が伺える歌。1013番「前もっていらっしゃるとお知らせくだされば、通路に玉を敷いて準備いたしましたのに」とか1015番「準備万端で待ち構えているところにおいでいただくより、急にお見えになるほうが嬉しいです」とか、おもてなしの心の表し方がよき。

 九年丁丑の春の正月に、橘少卿、幷せて諸大夫等、弾正尹門部王が家に集ひて宴する歌二首
あらかじめ君来まさむと知らませば 門にやどにも玉敷かましを 万1013
*前もって貴方様がいらっしゃると知っていたら、門にも家にも玉を敷いておりましたのに。
 右の一首は主人門部王 後には姓大原真人の氏を賜はる

一昨日も昨日も今日も見つれども 明日さへ見まく欲しき君かも 万1014
*一昨日も昨日も今日もお目にかかってますけど、明日もまたお目にかかりたい貴方様ですよ。
 右の一首は橘宿禰文成 すなはち少卿が子なり

玉敷きて待たましよりはたけそかに 来る今夜し楽しく思ほゆ 万1015
*玉を敷いてしっかり準備してお待ちするより、いきなり訪問してくださった今夜が楽しいです。

【似顔絵サロン】門部王 かどべおう ? - ? 奈良時代の皇族。天武天皇の孫。太政大臣・高市皇子の子。















橘 佐為 たちばな の さい ? - 737年 奈良時代の貴族。橘諸兄の弟なので少卿と呼ばれる。















橘 文成 たちばなのあやなり ? - ? 橘佐為の子。伝未詳。















〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=6

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