万葉集巻第六1016‐1017番歌(海原の遠き渡りを)~アルケーを知りたい(1316)

▼1016番を見ていると、悠然と遊ぶゆとりをもつ風流士になりたい、と凡客の我れは思ふのであった。

 春の二月に、諸大夫等、左少弁巨勢宿奈麻呂朝臣が家に集ひて宴する歌一首
海原の遠き渡りを風流士の 遊ぶを見むとなづさひぞ来し 万1016
*船ではるばるとやってきました。風流な方々のあそんでらっしゃるお姿を見たいので、苦労して来ました。
 右の一首は、白き紙に書きて屋の壁に懸著く。題には「蓬莱の仙媛の化れる嚢蘰は、風流秀才の士の為なり。これ凡客の望み見るところならじか」といふ。

 夏の四月に、大伴坂上郎女、賀茂神社を拝み奉る時に、すなはち逢坂山を越え、近江の海を望み見て、晩頭に帰り来りて作る歌一首
木綿畳手向けの山を今日越えて いづれの野辺に廬りせむ我れ 万1017
*手向山を今日越えてきて夕方になりました。さて、どのあたりのフィールドにテントを張りましょうか、私たちは。

【似顔絵サロン】巨勢 宿奈麻呂 こせ の すくなまろ ? - ? 奈良時代の貴族。長屋王の変のさい、罪の糾問にあたる。















〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=6

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