万葉集巻第六1019-1023番歌(大崎の神の小浜は狭けども)~アルケーを知りたい(1318)
▼今回は、作者は不明なれど詠われる対象の人物ははっきりしている歌。1019番は詠われる人にとってはどうなんだろう、と思える調子になっている。調べてみると案の定、策謀という説も出ている。その目でみると1023番まで全部、乙麻呂を貶めているように見える。光の当て方で見え方が変わる。レリーフの如し。
石上乙麻呂卿、土佐の国に配さゆる時の歌三首 幷せて短歌
石上 布留の命は
たわや女の 惑ひによりて
馬じもの 綱取り付け
鹿じもの 弓矢囲みて
大君の 命畏み
天離る 鄙辺に罷る
古衣 真土山より
帰り来ぬかも 万1019
*男女の問題を起こし都から追放される石上布留、帰って来ないのかも。
大君の 命畏み
さし並ぶ 国に出でます
はしきやし 我が背の君を
かけまくも ゆゆし畏し
住吉の 現人神
舟舳に うしはきたまひ
着きたまはむ 島の崎々
寄りたまはむ 磯の崎々
荒き波 風にあはせず
障みなく 病あらせず
速けく 帰したまはね
もとの国辺に 万1020・1021
*船の移動が平穏で、何ごともなくまた故郷に戻れますように、と祈っています。
父君に 我れは愛子ぞ
母刀自に 我れは愛子ぞ
参ゐ上る 八十氏人の
手向けする 畏の坂に
幣奉り 我れはぞ追へる
遠き土佐道を 万1022
*都から遠い土佐に配流されました。
反歌一首
大崎の神の小浜は狭けども 百舟人も過ぐと言はなくに 万1023
*大崎にある神の小浜は狭いけれども、舟で通る人はみな素通りしようなどとと言わずに集まってくる。
【似顔絵サロン】石上 乙麻呂 いそのかみ の おとまろ ? - 750年 奈良時代の公卿・文人。石上麻呂の三男。
〔参考〕
伊藤博訳注『新版 万葉集二』角川ソフィア文庫。
https://manyo-hyakka.pref.nara.jp/db/dicDetail?cls=d_kanno&dataId=6
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